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真田丸 16話「表裏」 感想

time 2016/04/25

表と裏ってどういうこと?

副題の「表裏」ときいて、まず思い浮かべるのは「表裏比興」という言葉です。
食わせ者、というような意味になるようですが、これは秀吉が昌幸を表して言ったとされています。
16話ではまだ秀吉と昌幸の邂逅は無いですが、やはりこの言葉を思い起こさせられました。

表裏について考えてみる

さて……前回に引き続き大阪城内の人間模様が見えてきます。

  • 茶々(若い女)に熱をあげつつ古女房の寧に甘える秀吉
  • 秀吉のためにと邪魔者を消す加藤清正の不器用で危険な、しかし熱い忠誠心
  • 自らが招いた権左の死にももはや悲しまず天真爛漫な、その生い立ち故に壊れ気味の茶々
  • 七本槍と称される英雄でありながらうだつのあがらない平野
  • 秀吉に可愛がられる忠臣だが、裏では自らが思い描く政治のために利久を消す謀略を練る三成の冷酷な忠誠心
  • 秀吉の執着心や見栄と表裏一体となった残酷さに気付かない、明るく社交的だが要領の悪い秀次

上記のような裏表や二面性を備えた大阪城内の人間模様を信繁は直接目にしていきます。
一方その頃的ではなく、全てに触れていきました。

その他にも、

  • 真田との絆は盤石と言いながら、秀吉に逆らえない景勝
  • お互いに貸しを作りたい、互いにたてあう秀吉と家康
  • 家康に真田攻めはさせないと言いながら、その許可を与えようとする大阪

といった、政治の流れにも裏表がちりばめられ、そして最後のポイントは

  • そんな黒いものが渦巻く大阪城内に一条の光のような秀長の存在

が描かれています。
さすが大和大納言。この人が長生きしていたら、豊臣家の未来は本当に大きく変わっていたような気もします。

大阪城内の住人個々人の中にある表裏、そして羽柴家と関わる他家との間にある表裏、そしてそのどこか歪で危険な大阪城内の空気を浄化するような秀長という存在が、大阪城内の表裏。
そんな風に描かれていた気がしました。

各家の位置づけ

華やかで煌びやかだけど、とても危うそうな豊臣家。
ギャグテイストでコミカルだけど、なんだか繋がりの強そうな徳川家。
たまに情けないけど、そこがリアルでアット―穂無な上杉家。

各大名家の描かれ方の対比も面白いです。

今週の昌幸

昌幸「皆の衆……えらいことになった!!」
出浦「おもしろい」
信之「全く面白く無い!」

やっぱりここですよね。

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本作の音楽、結構好きです。オープニング曲はそのドラマを端的に表現しますが、最後は悲願成就ならずに散っていく真田信繁、そして昌幸親子が迎える運命の不安さや、真田家が荒波に揉まれていく様子、それでいて力強く真っ直ぐである様が表現されていると思います。
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NHK 真田丸公式サイト

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