ほげブロ

アメリカ大統領選挙

time 2016/11/09

謎の選挙人と総取り方式はなぜ?

はい、まさかの大統領選の記事です。
多忙につきIXAを満足に遊べてない中で、どうしても書いておきたかったので15分くらいの休憩時間を設定して書いちゃいます。

選挙人

アメリカ大統領選は各州とワシントンDCに設定されている選挙人が、大統領を選び、その選挙人を市民が選ぶという選挙制度になっています。
とはいえ、市民は投票所にいって大統領候補者の名前を書くので(今回で言えば、ヒラリー、トランプ、その他泡沫候補)、選挙人を選んでいるという意識は無い人が大半でしょう。
よく、アメリカの大統領は直接投票だと言いますが、実質そうなんですが、制度としてはそこに選挙人なるものがかんでいるのです。

選挙人ってそもそもなによ、という話ですが。
約200年前、アメリカが独立し大統領制の民主主義国家としてスタートした時、選挙制度も作られたわけですが、とにかく広大な領土で田舎の多い農業国のアメリカでは、情報というものは庶民にとってはとても限られたものでした。
テレビもラジオも電話も無い時代。新聞はあっても情報の鮮度は今より遥かに低く、なおかつ文字の読めない人間の数は今の比では無かった頃です。
さて、選挙だ大統領だと言われても誰が良いのか庶民には判りません。
そこで、うちらの地元の有識者の○○さんなら詳しい、あの人の言うことは間違い無い、あの人に決めて貰おう、となっていったわけです。大雑把にいうと。
A候補、B候補を推している選挙人を選ぶことで、その州がどの候補を選ぶかが決まる、そういう手順を踏むようになっていったんですね。

総取り方式

最近、日本の国政選挙でも死に票について論じられることが増えました。小選挙区制になって、選挙区から当選できる人が1人になれば、その人の獲得票数が半分以下でも一番多ければ当選ですから、半分以上の人の投票が死んでしまう、というわけです。
さて、米大統領においても同じです。
例えば、カリフォルニア州はアメリカで最大の選挙人55が割り当てられています。カリフォルニア州内でヒラリーとトランプの獲得票数が僅か1票でも上回った方が、この55の選挙人の票を全て得ることができるのです。
それ、死に票多すぎじゃない? という話はもちろんアメリカでもあります。
得票率に応じて、分ければいいじゃん。その方が民意が反映されるよね、というのはもっともな意見です。それが判っていながら、そうはなっていない現状にはいくつかの理由があります。
ポイントは「二大政党制」と「United States」であるということです。

二大政党制

トランプは共和党候補で、ヒラリーは民主党候補です。
伝統的に共和党は小さな政府。つまり、基本みんな自由。自己責任。政府はあんまり面倒みませんよ。という感じ。
民主党は大きな政府。つまり、福祉を充実させて、色々な問題に国が関わり、国家が面倒みていきます。という感じ。
当然、前者は自由が少なくなりますし、後者は税金が高くなったり国家の個人への介入が強まります。
どちらかというと、民主党の方が強いんですけどね。

さて、総取り方式をやめて得票率に応じて選挙人の票を分配すると何が起きるでしょうか?
民意がより反映される。それはその通りです。
しかし他方で、アメリカの現状の政治制度を大きく変革しかねない事態も起きるのです。

冒頭、こう書きました。

とはいえ、市民は投票所にいって大統領候補者の名前を書くので(今回で言えば、ヒラリー、トランプ、その他泡沫候補)、選挙人を選んでいるという意識は無い人が大半でしょう。

そう、今回の選挙は事実上ヒラリーとトランプの一騎打ちですが、というか、常に毎回事実上共和党候補と民主党候補の一騎打ちですが、毎回泡沫候補はいるんです。
さて、得票率に応じて選挙人の票を分配すると、こうした泡沫候補が票を得る可能性は大きく増えていきます。
共和党と民主党以外の候補が、いきなり大統領になるところまですぐにいけるわけではないでしょうが、しかし、この二大政党以外の第三の政党の立党や、もしくは政界再編の大きな波などが起きたりしたら、二大政党制そのものが揺るぎかねないことにもなります。
これが、総取り方式を続けているひとつの理由であると思います。

United Statesであること

United States of Americaを日本語に訳すとアメリカ合衆国です。
そう、United States通称USは合衆国と訳されます。
しかし、字面をそのまま訳せばそれは合州国であることは明らかです。
アメリカは州毎に州法という法律があって、州軍という軍があって、州警察があり、州知事がいます。日本の都道府県とは全く違って、州が国と同等の意識があるのです。
テレ東のYouは何しにニッホンへという番組で、外国人にインタビューをしている時に、アメリカから来た人は面白いくらいのどこから来ましたかという質問に州名で答えます。カリフォルニアから来た。オハイオから来た。等々です。アメリカから来たと答える人はほとんどいません。たまにいても、それは日本に慣れた人だったりします。
州こそが帰属すべき国のようなもので、USAはその上にある概念なのです。なのでもう、全米という枠組みになる「ワールド」になっちゃうんですね。野球の全米ナンバーワン決定戦はワールドシリーズです。
それくらい州の自治は大事なのです。うちにはうちの州のやりかたがある。法律がある。そういうわけです。

さて、州の自治がとても大切なアメリカにおいて、もし選挙人の票を得票率に応じて分配すると何が起きるでしょうか。
色々すっ飛ばすと、それは州の力の低下をもたらします。
州としての方針ではなく、個人の意志がそのまま連邦政府まで届いてしまうと、州であることの意味や影響力が大きく損なわれます。
イマイチ伝わりにくいかもしれませんが、せっかくixaブログなので戦国時代に例えてみましょう。

天下分け目の関ヶ原、各大名はどちらにつくか悩みに悩んで結論を出しています。それがその家の未来を左右するからです。大名を州だと思って下さい。
例えばとある大名A家の中でもどちらにつくか家老たちの間で意見が割れたことでしょう。その時、じゃあ意見の多さに応じて、徳川に6、豊臣に4で分かれてそれぞれにつこう、ということをするとどうでしょうか?
史実では徳川が勝利したわけですが、お前なんで全力で俺の味方しなかったわけ? となって、勝者側の恩恵を受けられないことは容易に想像できます。真田家の例はかなり特別です。あれが許された大名家は他にありません。真田の場合、形のうえで上田と沼田の2国に別れていたというのも大きいです。名目上別の国、別の州だったからなんとかOKだっただけで、基本的にはダメです。
配分するということは、集団の強さを損なうだけなのです。勝っても負けても、その集団(この場合州)が影響力を保つためには割れないということがとても大事なんです。
割れれば割れるほど、その集団は弱体化します。勝っても負けてもです。
まして、大統領選は四年に一度あって、ここで負けたら死ぬとか滅ぶというものではありません。
これが、総取り方式を州が採用するもうひとつの理由だと言えるでしょう。

州が州であるために、その影響力と自治力を保つために、割れてはいけないのです。

まとめ

米大統領選の、選挙人制度と総取り方式はなんでそうなてtるのか、っていうとこんな感じの理由だからです。
かなり大雑把で乱暴な論なので、そこは違うとか、もっとこうだとかあると思います。
思うところある方は、コメント欄をご利用下さい。

史上最低の大統領選と言われていますが、本当にそう思います。
人間は最低なものを割とこのむので、結果テレビ討論の視聴率が過去最高になったりもするわけで、ほんと、何事もエンタメの国だなあと苦笑いですね。

どちらが勝っても日本はやりづらい部分、多いでしょう。
しかし、江戸末期や大戦前の世界情勢に比べればまだ遙かにマシな状況に日本はあると思うので、政治家官僚には上手にアメリカの相手をこなしていって欲しいものです。(*´ρ`*)

 

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ほげたほげぞう

ほげたほげぞう

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